四日市競輪 サマーナイトＦ Ｇ２ 初日（本田）

　今シリーズはナイター開催の為昼間の時間潰しが非常に問題。今回は地元紙の山田さんに三重郡菰野町の「湯の山」に連れて行ってもらい、御在所ロープウエイに乗ってきました。このロープウエイの全長は２１６１メートルととても長く、片道１２分間と乗りごたえがある。時間潰し？　にはもってこいの乗り物だ。四日市競輪に訪れた際には寄ってみてはいかがですか？　

　今回はオール予選で１着のみが決勝に進めるシステム。ここでは今日のレース番毎に勝利者のコメントを載せていきます。
　まず１レースを勝ったのは渡部哲男（８４期・愛媛）。今日は本線の海老根恵太ラインを後方に置き、中団から先捲りで制した。「（小倉に）抜かれたと思ったけど、何とか乗り切れました。中団が取れれば何とかなると思っていたし、１着権利なのでワンテンポ仕掛けを遅らせのが良かった」とレース後に勝因を話す。マークした小倉竜二（７７期・徳島）は「抜けん、（渡部が）強かった。俺の調子？　普通やね」。
　２レースはＨＳからカマしていった稲垣裕之（８６期・京都）がそのまま逃げ切った。「ギリギリのタイミングで仕掛けられたのが勝因。初手に中団が取れたのも良かったし、前田（拓也）さんとワンツー決められたのも嬉しい」とニッコリ。これで通算成績も節目の２００勝に到達。「２００勝は意識していませんでした。通過点」と言いながらも「（前田が）空気読んでくれました（笑）」と笑顔が絶えない。
　３レースを制したのは伏兵・内田慶（８７期・福島）。逃げた新田祐大の番手を奪い、４角一気で勝ち名乗りをあげた。「新田君の番手が一番勝利に近いと思って競りにいったが、関東勢（小林大介、小橋正義）には（ラインを固めず）悪いことをした。でも神山（雄一郎）さん達との練習の成果も出たし、レースがよく見えていて余裕もあった」。
　４レースは逃げた金子貴志の番手から一気に踏んだ加藤慎平（８１期・岐阜）が決勝戦に進出。「金子さんが一気に逃げてくれて、僕を勝たせてくれた。自分の力ではない」と慎平節。「号砲がなってから、本調子ではないと感じたが、金子さんが『慎平勝ってくれ』という仕掛けでいってくれたので、１着権利の踏み方をさせてもらった。普段なら（逃げた金子を）残すんだけど」と更に慎平節。ただこの大会は２連勝しかＶに到達しない、なのでこの「シビアさ」が必要だ。
　５レースは吉田敏洋の番手で中川誠一郎が粘った為、新田康仁（７４期・静岡）のひと捲りが決まった。「前団が短くなったから捲れたけど、バンクは重かったね」と景気がいい話は出なかったが、マークした遠沢健二（５７期・神奈川）は「タイミングがずれたけど、新田君のスピードが良すぎた。どんどん行っちゃうんだもん」と新田のダッシュに追走一杯で、離れた２着がやっとだった。
　６レースは落車があり乱ペース。この混戦を制したのは井上昌己（８６期・長崎）の捲りだった。「ラッキー一本です」と第一声も「久々のレースで緊張もしたが、自分のタイミングで仕掛けられたしきっちり踏めている」と満足顔。
　７レースは中団からひと捲りを決めた石丸寛之（７６期・岡山）の１着。「１着取れたんだから『調子が悪い』とはいえないでしょ（笑）。でもここに来る前は（三宅）伸さんとか（三宅）達也とかと練習やって、ついていくのがやっとだったんですよ。だから調子が悪いのかと思ってたんだけど」と嬉しい誤算。「最近はＧ２（西王座）や全プロで決勝に乗れてきたんで、そろそろ一発狙いたいですね。７６期では（第二回サマーナイトを）市田君も取っているしね」。
　８レースは４．３３のギヤで記者達は「不発」とみていた山崎芳仁（８８期・福島）。しかし終わってみれば７番手からひと捲りで横綱相撲。「（４．３３のギヤを）巧く回せたし、４回転と比べて変わりなく踏めました」と大ギヤでも心配はなし。前回は前橋Ｇ１を制しているが「３３バンクよりも４００バンクは力を出しやすい」と連続Ｖに視界は良好だ。
　最終の９レースを勝ったのは逃げた菊地圭尚の番手から一気に追い込んだ兵藤一也（８２期・群馬）。「１着権利のレースで結果がでて嬉しい。ここ最近は１着取ってなかったので本当に嬉しい」と終始笑顔。

　そして出揃った明日の決勝メンバー９選手。その９レースの並びは山崎芳仁①－兵藤一也⑧、渡部哲男③－石丸寛之④、稲垣裕之⑦－加藤慎平②に「先行を条件に中近ラインから」の新田康仁⑤－内田慶⑥。あとは「単騎で自力、自在にやる」と井上昌己⑨での戦い。やはり今日の走りをみてしまうと山崎芳仁でアタマは鉄板？　どんなに別線が抵抗しても簡単に捲ってしまいそうだ。兵藤もしっかりしたマーカーだけに①⑧一本で大丈夫だ。

　今日は全てが裏目で大敗を喫したが、間近で元大関の「KONISHIKI」を見られたし、楽しめたので満足？　と思わないとやってられない状態。明日は電投で勝負します。

四日市競輪 サマーナイトＦ Ｇ２ 前検日（本田）

　またまたサマーナイトフェスティバルにやってまいりました。第１回の川崎、２回の函館、そして昨年の松戸と全て取材しにいきましたが、今回が一番「暑い」。検車場で菊地圭尚が発した言葉を借りれば「暑くて生きているのがやっと」の状態。それでも前検取材をしてきましたので、ご参考にしてみてください。

　まず１レースは海老根恵太（８６期・千葉）。前橋Ｇ１から中９日での参戦。「前回終わって次の日は休んだけど、その後は選手会の合宿で３泊４日で北海道にいってました。それが終わってからの直前の４日間は軽めの練習、というより調整につとめました。でも調子はキープしていると思うし状態は悪くない。後ろが（鈴木）誠さん？　でも１着権利だし、自分の仕掛けで勝てる競走を」。
　２レースの飯嶋則之（８１期・栃木）は「佐藤（友和）君の番手へ。藤原（憲征）君と競りになってもそこを主張する」とキッパリ。普段は強い機動型の番手を攻める飯嶋、なら落車明けで体調が心配される佐藤より、徹底先行の稲垣裕之のハコ勝負の方が良さそうだが「東日本で（佐藤の）番手がすんなり回れそうだし、俺は佐藤君が一番強いと思っているから。だから稲垣さんじゃなく、佐藤君の番手」。
　３レースの内田慶（８７期・栃木）も飯嶋則之に負けず劣らずのマーカーだ。明日は小林大介－小橋正義の上越３番手にいくような番組構成だが「上越コンビの後ろでもいいんだけど…。うーん、ちょっと考えさせてください」と競輪場に到着した時は悩んでいたが、３０分後「新田（祐大）君の番手。やっぱり１着権利だし、戦わないのは悔いが残るので。１着に近い場所を取りにいく」と明日は岡部芳幸に競り込みにいく。
　４レースは加藤慎平（８１期・岐阜）。「金子（貴志）先輩一本。まずはしっかりついていくことだけを考えますよ」。相性いい金子の番手、検車場では終始笑顔だった。
　５レースには地元で唯一参戦の古田義明（７９期・三重）が登場。明日はメンバー中バック数一番の吉田敏洋の番手を回れる。「これはチャンスですよね（笑）」と普段は無表情の古田だが、笑みがこぼれていた。そして後ろに続くのは同期の佐藤真一。「この佐藤君が曲者。僕が仕事すれば内を掬ってくるかも知れないし…。絶対に内だけはしめて走ります」と別線よりも後位の同期に警戒していた。
　６レースには１着か大敗かの池崎太郎（６９期・東京）が登場する。でも最近は大敗の方が若干多い。「これ（大敗）は先行出来ていないとき。というより、警戒されちゃって先行をさせてもらえない。調子は変わらないんだけどね…」と成績に結び付かない近況に悩む。「でも明日（初日）は僕を逃がさせて３番手から皆捲りたいと思っているはず。だって僕は今（競走得点）９８点の選手だから、油断しているでしょ？　みんなが」。先行さえしてしまえば逃げ切りもある車、池崎の⑥番車が穴で面白い。
　１着権利の今大会で「明日（初日）は３着でしょう。３着取れれば満足」と話すのは阿部康雄（６８期・新潟）。「だって前の２人（平原康多－神山雄一郎）が強いし、平原君が逃げるとは限ってないし。ヘタすれば勝負処で最後方もあるしね、３着とれれば御の字」。このいつも通りの無欲さが、意外と勝ちに結びつくのかも？　明日は７レースに登場します。
　８レースには東の横綱・山崎芳仁（８８期・福島）が登場。四日市バンクのイメージを聞くと「何年か前に全プロできたのは憶えているが、競走では…。憶えていないなー」と首を傾げる。「調子は悪くないので、気が緩んでいなければ大丈夫だと思う」。前回Ｇ１を制しただけに、Ｇ２では物足りなさを感じている？　
　９レースには西の横綱・小嶋敬二が登場も、注目は坂本健太郎（８６期・福岡）だ。「今回は１着取れるデキにある」と前置きし「僕の勝率はいいんでね、１着権利のサマーナイトは僕向きのはず。普段の走りができればクリアできるはず」と小嶋相手でもビックマウスは健在。穴で坂本④から買ってみたくなる語調だったのは事実、騙されてみても面白そう。　
　ただ小嶋マークの山内卓也（７７期・愛知）も「前を抜けば１着だから、決勝にいくのは簡単」とこちらもビックマウス。本命党は小嶋①－山内⑤で逃げて、山内が差す⑤①を買ってみてはいかがですか？