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昔は水曜日の公営ギャンブル開催がほとんどなかった。ギャンブル好きは水曜日をギャンブル・ホリデーと呼んだ。それでも一つか二つの場所が水曜日に開催することがあった。なかでも水曜に開けているのが多かったのは大宮競輪場と江戸川競艇場だったと記憶している。江戸川競艇場へは総武線の平井駅から送迎バスが出ていた。帰りのバスでの出来事だ。しつこく「停車」(次停まりますのボタン)を押す客がいて、駅まで停まりませんからと運転手が説明しても押し続けた。根負けした運転手がその客を途中の路線バスの停留所で降ろした。すると今度は俺も私も、どこそこで降ろしてくれ、と収拾がつかなくなった。いまとなっては笑い話だが運転手はかなり焦っていた。
水曜日は開催場所が少ないこともあっていつも混雑していた。大宮に来るときはけっこう早めに特別観覧席に入った。中にある食堂で遅い朝食をとったりした。好みの惣菜を何品か選び盆に載せ、ご飯と味噌汁を加えて会計をした。特観席の定食屋、ぼくらはそう呼んでいた。
特観席にも特観席の定食屋にも行かなくなってかなりの年月が経った。ぼくは今、記者席の椅子に座って仕出し弁当を食べながらこの原稿を書いている。